齋川 和香 さいかわ まどか さん_2

かぎこうで温かい先生と仲間に出会った

 入学した当時は、コロナ禍の緊急事態宣言下でした。最初の2カ月間は登校できず、6月からは、午前と午後でグループに分かれての登校でした。実は、起立性調節障害の私には、そのスケジュールが朝から登校する予行練習になって、プラスに働きました。

 中学卒業して、いきなり学校に通い始めるのではなく、家で課題をして、登校日にわからなかったところを質問する流れで、気持ち的にも余裕ができました。それと、自分の過去を知っている人がいない環境がすごく楽で、いわば高校デビューみたいな、ちょっと気持ちを変えるタイミングになりました。

 でも、友だちづくりはしんどくて、高校1年の11月頃まで、ほとんど人と話せませんでした。「中学の時のようになったらどうしよう…」と考えてしまって、一人でずっと机に向かって勉強したり、先生とだけ話したりしていました。

 11月頃に、ある子が「お昼、食べよう」と誘ってくれて。みんなは「あの子は違うから」と感じているのかなと思っていたのですが全然そうではなくて。普通に誘ってくれてびっくりでしたし、すごく嬉しかったです。

 それからみんなの輪に入っていけるようになり、1年の終わりの頃には男女関係なくみんな仲良くなりました。それと同時に起立性調節障害の症状も改善していき、高校2年からは毎日通いました。

 高校3年ではコロナ禍で延期になっていた修学旅行に行けました。みんなで朝から集合して、長崎の観光名所をあちこち周って、夜遅くまでしゃべってと、それまで朝から晩まで友だちと過ごしたことがなかったのでただただ楽しかったですね。

 かぎこうの仲間には、友人関係で悩んだり、周りと合わせるのが苦手だったりとさまざまな理由で不登校だった生徒もいて、お互いに思いやる気持ちが自然とありました。本当に人に恵まれたと思います。おかげで、かぎこうでは小学5年から中学時代までやりきれなかった学校生活を全部満喫できました。

英検準1級とダンス経験を活かして大学合格

 かぎこうに入ってからは勉強にも励み、特に英語に力をいれました。高校1年の担任の先生が英語の担当で、be動詞から丁寧に教えてもらいました。すると、高校3年の6月に英検準1級に合格しました。

 そんな時に英会話教室の先生から母校の法政大学国際文化学部について教えてもらいました。その学部にはアートや音楽、映画、ダンスなど言葉を用いないコミュニケーションの文化を探る「表象文化科目群」があると知りました。

 「英語を活かして、小学1年生から続けている大好きなダンスを多面的に学べるのはここしかない」と思い、総合型選抜で受験することを決めました。そこからは、かぎこうの先生に志望理由書を何度も添削してもらって、面接練習も何度も付き合ってもらいました。

 また、ダンスの経験もアピールになりました。高校3年からは、キッズのインストラクターを任せてもらったり、イベントのアシスタントを務めたりと仕事を受けるようになりました。ダンスに思いっきり打ち込めたのも、かぎこうの先生方が受験時期と被っていても応援してくれたからです。

 おかげで無事に合格でき、今は大学生活を楽しんでいます。大学2年の秋学期からは韓国に留学する予定です。言語もダンスも好きなK-POPの研究も学びを深めていきたいです。



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